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東京の氏神巡りをしていると、
圧倒的に多く目にするのが八幡神社(八幡社・八幡さま・若宮神社)です。
この事実から、関東が武家の地であることが影響しているのかと調べたところ、
日本全国においても八幡神社が最も多いことがわかりました。
実際、全国には7817社の八幡神社が存在し、その信仰の深さが伺えます。
八幡神は武神として知られています。
武神といえば、武甕槌神(たけみかずちのかみ)、
経津主神(ふつぬしのかみ)、不動明王、摩利支天、北斗七星が有名ですが、
柳田國男は「当初は鍛冶の神ではないか」との説を唱えています。
これは、
「我は、譽田天皇廣幡八幡麻呂、護国霊験の大菩薩」
という託宣から来ており、
鍛冶の神であることが示唆されています。
八幡神は皇祖神としての側面も持ち、
応神天皇(譽田天皇)として祀られています。
応神天皇陵に近い
「誉田八幡宮」が三大八幡でないにもかかわらず「第2社」とされるのは、
この託宣によるものです。
八幡神の影響力は高まり、
宇佐八幡宮では「宇佐八幡宮神託事件」で皇位継承にも関与するなど、
伊勢神宮を凌ぐ勢いを見せました。
源氏と八幡信仰の結びつきも強く、
「八幡太郎義家(源義家)」や鶴岡八幡宮などがその象徴です。
しかし、八幡神は源氏だけでなく、
平将門に「新皇」と託宣したり、平清盛の娘が大宮司の妻となるなど、
幅広い武家に信仰されてきました。
豊臣秀吉もその権威を借りて「新八幡」として崇めています。
八幡神が多くの武家に信仰された背景には、
武家を朝廷の影響から解放し、
天照大神とは異なる世界を創る大きな役割があったからです。
これにより、武家政権が長く続いたことが、八幡社の多さの理由の一つとされています。
八幡神は、古代から数々の戦で奇跡的な大きな力を示し、
武家にとって国家鎮護の守護神としての存在感を持ち続けました。
そのため、多くの八幡社が武家によって勧請され、崇敬されてきたのです。
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